東北大学学校ボランティア事務局の活動は、2003年度から始まりました。
2024年度までのボランティア(学生サポートスタッフ)の登録者数と実際の活動人数を年度別に示したものが右図です。
立ち上げ期は登録学生が非常に増え、一時期は200人以上の登録がありました。2011年度から落ち着きをみせ、2020年度~2021年度はCOVID 19による活動中断の時期もありましたが、最近は毎年度30名ほどが登録し、うち10~15名程度が実際に活動をしています。
※登録者数は所属不明学生を除いています
※一部記録の確認ができなかった年度もあります
右図は2011年度から2024年度までの学部・研究科別の活動人数の累積値を示しています。2011年度から2013年度までは学部・大学院合計で計算されており、右図では全て学部の活動人数に計上しています。
主に教育学部・教育学研究科の学生が活動に従事していますが、文学部・工学部・理学部・農学部の学部生も積極的に学校に行っていることが分かります。
また、学部1年生、2年生は授業・実験のため平日に活動できないことも多く、時間の調整がしやすい学部3年生以上や大学院生の活動も目立っています。
仙台市教育委員会から事務局に寄せられるボランティア依頼要請の数は、ここ数年は60~70件程度です。学生サポートスタッフは自身の行動範囲の中で行ける学校を優先的に選択するため、全ての依頼に応えることはできず、活動先となる学校に偏りが出てしまうときもあります。
活動を始めた当初は、市教委を介さずに県立高校や私立学校からの依頼要請もありましたが、現在は基本的に市教委からの依頼を受け付けています。
※県立高校や私立学校からの依頼も随時受け付けている
※記録がない、もしくは活動が中止となった年度はゼロ表記
各学校から事務局宛てに寄せられる依頼内容の一部を紹介します。支援内容は主に4つのカテゴリーに分類することができます。年間を通して活動を希望する学校が多く、まずは体験的に活動してみたい学生や、長期休業期間や期末期間に関わることが難しい学生にとってはやや参加のハードルが高いという課題があります。一方で、「学生の都合のよい曜日・時間帯で調整可」といった比較的フレキシブルな活動を認める学校や、要請人数も「上限なし(何人でも来てほしい)」とする学校もあります。
1.学習のサポート
国語や算数等の学習補助
学習のサポートが必要な児童への対応
担任の指導補助、学習支援(個別の声掛け、アドバイス)、丸付け等
2.休み時間や放課後のサポート
放課後や休み時間を活用しての学習会等を実施する際に、学習指導に係る教師のサポート役
休み時間の児童の遊び相手
放課後学習室での生徒の学習支援
3.特別な配慮を必要とする児童生徒のサポート
支援学級の教育活動全般の支援・サポート(交流時の支援・サポートを含む)
特別支援学級生徒の支援(授業補助、休み時間の話し相手など)
各教科において、継続して集中すること、落ち着いて取り組むことが困難な児童の支援や見守り
4.クラブ活動や部活動のサポート
クラブ活動の指導補助
陸上記録会当日の競技運営補助
スタッフは、自身の関心や強みを活かして継続的に参加することが多い傾向にあります。学生から大学院生まで、学部も様々です。特技や高度な専門性は必ずしも問われることはなく、学校活動をサポートしたい、授業補助をしたいといった志があれば誰でも活動できます。ここでは、スタッフの感想を一部抜粋して紹介をします。※所属はコメント当時のものです。
Aさん(院生)
活動内容:毎週金曜日、仙台市内の小学校にて、教職員の先生方の職務のお手伝いをした。主に学校に整備されているICT機器の活用の補助、管理の補助を行った。
感想:小学校を対象とした研究を行っているため、先生方の教え方や働き方を間近で学ばせていただき、非常に勉強になりました。
Bさん(学部生)
活動内容:アカペラコーラス部として小学校の5年生の1クラスに3時間ほど伺い、小学生が学芸発表会で披露するアカペラの指導を行なった。
感想:小学生がみんな積極的に話を聞いてくれて、私がピアノを弾きながら何回か一緒に歌っただけで各段にきれいなハーモニーが聴こえ、それを子どもたちも感じてくれていたのが嬉しかった。ハーモニーが改善できただけではなく、ダンスや手拍子をつけたりみんなで楽しんで工夫をしていて良かった。
Cさん(院生、教育学研究科修士2年)
活動内容:主に特別支援学級のお子さんに対する学習支援と交流学級の際の活動補助(時々、通常学級内で支援が必要なお子さんに対する指導補助)
感想:週1~2回ではありますが、子どもたちに継続的に関わることで、子どもたちが少しずつ変化しているのが感じられ、とてもやりがいのあるボランティアだと感じています。また、支援をしていく中で、「今この子に必要な支援はなんだろう?」、「担任の先生が今必要としている支援はなんだろう?」と悩んでしまったり、自分のかかわりが助けになっていないのではないかと反省したりする時もありますが、自分の支援によって、子どもが自分の力でできたり、わかるようになっていったりすることで、自分自身のモチベーションや自信につながっていっているような気がします。来年度から小学校の教員として働くため、学校現場を知り、子どもたちとかかわる機会としても、とても有用な場であると感じています。
Dさん(院生、法学研究科修士1年)
活動内容:毎週月曜日に小学1年生を対象に授業補助を行いました。12月は冬休み等の影響により活動は2回でした。授業中は授業に集中できていない児童の支援を行い、休み時間中は児童の遊び相手となりました。
感想:授業中に自動が喧嘩をしてしまうことがありました。その際、自分が仲裁に入り、授業をストップさせずに解決できました。このような経験から、授業運営の役に立っているのではないかと感じました。
Eさん(学部生、教育学部3年)
活動内容:週に1回、全学年回りましたが、主に6年生対応が多かったです。授業中のサポート(つまずいている児童への声掛け)や、授業準備の手伝いをしました。
感想:児童との触れ合い方が自動の額ねんに応じて違い、なかなかうまくコミュニケーションがとれなかったのが印象に残っています。自分から積極的に声がけするのが難しかったです。しかしそのことについて学校の先生に相談したところ、アドバイスをいただくことができ、少し悩みが解消しましたし、何より勉強になりました。そしてやはり児童の学習をサポートし、「わかった」といわれることが活動を通して何より嬉しかったです。